「ああ、私の幽霊さま」鑑賞コラム Vol.2

いつvol.2が掲載されるのかほとんど忘れかけてた頃
Kstyle記事に田代親世さんのコラムがUPされました

幽霊×ラブコメ×憑依…絶妙なアンサンブルが放つ、切ないファンタジー+爆笑コメディの融合!
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ラブコメでは終わらせない、ヒロインが成長していく姿

最近の韓国ドラマはつくづくただのラブコメでは終わらせない。「ああ、私の幽霊さま」も“憑依ロマンス”という異色のコンセプトを掲げ、気弱な少女が幽霊に助けられて愛を手に入れていく過程をラブコメチックに描きつつ、サイコパスが登場するサスペンスミステリーを加えて、ヒロインが人間としても成長していく姿が描かれていく。見る方も、ほう、そう来るか、そしてそっちに行くのね、なるほど~、という具合に想像力をあちこちに働かせるのでなかなか忙しいが、その分楽しくもある。


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「俺の体目当てで付き合ってるのか?」男女逆転の構図で爆笑の嵐!

このドラマ、まず、幽霊の活き活きっぷりがいい。がらっぱちだけど元気のいい幽霊スネ(キム・スルギ)。ろくな恋愛経験もなく、処女のまま死んだ悔しさで成仏できないのだとこの世をさまよっている。そんな幽霊が、暗~くうつうつとしているヒロイン、ボンソン(パク・ボヨン) に憑依する。ボンソンも最初は知らぬ間に憑依されていたけれど、そのうちに幽霊と対面し、ボンソンと幽霊は積極的にタッグを組んでそれぞれ目的を達成しようとする。「二人は一心同体よ、恨みを晴らして恋もゲット!」と、幽霊がこんなに前向きでいいのか? と笑ってしまうほどやる気満々の幽霊に引っ張られるように、ヒロインもどんどん強くなっていく。憧れのシェフ(チョ・ジョンソク) と目も合わせられなかったのに、シェフを自分の男にしたいと欲が出てくるのだ。


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幽霊に取り憑かれて生き生きしてくるというのも皮肉な面白さだ。この憑依されているときの、かわいくていかにも愛らしい顔のパク・ボヨン扮するヒロインが、幽霊のせいで急に毒舌を吐き、淫乱に振る舞うようになって周囲を驚かせていくギャップが面白く、チョ・ジョンソク演じるツンデレシェフを押し倒す勢いで積極的にアプローチしていく様子が最高に楽しい。ここはパク・ボヨンの演技達者ぶりが発揮されるところで、幽霊役のキム・スルギの「あはっ、きゃはっ」という高低差が激しい賑やかなしゃべり方を見事に再現しているのが素晴らしい。そして、シェフが「俺は天下のカン・ソヌだぞ」などと偉そうだったのに、あの手この手で迫ってくるボンソンを必死でかわす姿がこれまた笑える。「俺の体目当てで付き合ってるのか?」「こんなの普通女のセリフだぞ」といいながら「俺は保守的で慎重な男なんだ! 先走らないでくれ~」と男女逆転した構図が繰り広げられ、爆笑の嵐なのである。

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「毎日を大切に生きないと」…コンプレックス克服成長ストーリー

この、ワンコがじゃれ合っているような、かわいくて甘いカップルにメロメロしながら見ていくと、シェフを挟んで幽霊との切ない三角関係になったり、ボンソンの、幽霊のおかげで自分が好かれているのか、と自分のアイデンティティーが揺らいでいくコンプレックス克服成長ストーリーになったり、そのまた次には幽霊スネの死の真相を巡るハラハラのサスペンスになっていく。そして見終わると、優しさと切なさを伴って「毎日を大切に生きないと」と思わせてくれるのだ。だから、ヒロインならずともこう思うだろう。「ああ、幽霊さま」大事なメッセージと楽しかった時間をありがとう。

田代親世(韓国エンターテインメントナビゲーター)
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by cyu-rin | 2016-07-26 20:14 | 私の幽霊さま